FXコラム『スキャルピングは勝てない 2』

FXコラム「スキャルピングは勝てない 2」

今回も前回に続いて「スキャルピングは勝てない」の続きを書きたいと思います。

なぜスキャルピングが勝てないのか?実はこれは当たり前のことなのです。

常識的にに考えてみればスキャルピングで勝てないのは当たり前なのです。 例えばドル円で10pipsを狙うスキャルピングトレードを考えてみます。

手数料は無料、スプレッドは2pipsという一般的な条件で考えてみると、 10pipsの利益を狙うには12pipsを抜く必要が出てきます。逆に狙う利益は10pipsであれば、 損も10pipsに限定しなければならないので、ポジションを持った時点でスプレッド2pips分 マイナスなのでさらに8pips逆に行ったら損切りをする必要があります。 つまりポジションを持ってから予想通りに12pips行ったら利確、8pips逆に行ったら損切りです。

ちなみに上に書いたように損切りを設定することで、リスクをリターン以下にするという 考え方が実践出来ない方はFXを早めに止めることをお薦めします。とくにスキャルピングで これが出来ないとまさに利小損大でコツコツ貯めた利益を一度のトレードで一気に吹き飛ばす コツコツドカンで退場することになります。

さて12pips予想通り行ったら利確、8pips逆に行ったら損切り。 どう考えても損切りラインの方が近いので、利確する前に損切りを喰らう 可能性が明らかに高いです。こんな不利な状況で勝率50%を上げても ようやく収益がトントンになるだけです。

こんな不利な状況で勝率50%以上の結果を上げるのは至難の業です。 運が良ければ連続して勝つこともあるかもしれませんが、どう考えても 損切りラインの方が近いので、スキャルの回数を重ねれば重ねるほど確率的には 負けが込んで来ます。

たしかにスプレッドが存在する限り、リスクとリターンを同じにすると スキャルに限らずどんなトレードでも利確より損切りラインが近くなるのは事実です。 しかし利益幅が広い場合は狙う利幅に対するスプレッドの占める割合が小さいので あまり気にしなくて良いレベルになります。しかしスキャルの場合は利幅に対する スプレッドというコストの占める割合があまりに大きいので、ポジションを持ったとたんに かなり不利なトレードを強いられることになるのです。 最初から100pipsを狙うトレードで払うコストも2pips、10pipsを狙うトレードで払うコストも2pips。 10pipsを狙うトレードで100pipsを稼ぐには2pips×10回=20pipsのコストがかかります。 もう常識的に考えればどちらのトレードが有利か明らかだと思います。

「短期の動きは分かりやすいので勝率が高くて有利だ。」と主張する人もいるでしょう。 もし仮にそうだとしても不利なトレードであることは変わりませんし、 その不利なトレードをあえて選ぶほど、スキャルの勝率が高くなるとは思えません。。

そして実際にあらゆる投資において短期のトレードを繰り返すトレーダーが 長期の投資をするトレーダーに比べて負けているという数字もいろいろな調査において 出ております。高いコストを払い続けるスキャルは確率的に勝てるわけがないのです。

ネット上にはスキャルで大儲けしていると主張して、それを情報商材にして 販売しているような輩もいらっしゃるようです。信じるも信じないも自由ですが、 あなたはその方の実際のトレードを見られたのですか?その人のトレードの一部を 見たところで何の意味もありません。そりゃ連続して勝つこともあります。そんな 都合の良い一部だけを見ても何の意味もありません。断言しますが、スキャルピングで 大儲けしていると主張して情報商材を販売している人の99%は情報商材販売で 儲けようとしている詐欺師です。そんなに儲かるならマニュアルなんて売って儲けようと しませんよ。あなたの買おうとしている情報商材の販売者が、残りの1%の本物であることを 祈るばかりです。

ちなみに英語のスキャルピングには「よく考えずに、目先の利益を狙う売買手法」というような 軽蔑した、小バカにした意味合いが含まれています。確かにスキャルピングの情報商材の販売者には ちょっと残念なタイプの人が多いような気がします。皆さんも小バカにされないように気をつけましょう。


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