FXコラム『FXで退場する人、退場しない人』

FXコラム「FXで退場する人、退場しない人」

リーマンショック、金融危機と大荒れした2008年に比べて、 比較的穏やかだった2009年のFXマーケットでしたが、7月になって大きな動きがありました。

ずっとレンジ相場が続いていたのですが、7月に入って急に円高が進行。 ドル円に関しては1週間で4円以上円高が進むなどFXマーケットの様相が急変しております。 GMの破綻も特に波乱なく過ぎ去ったように見えましたが、GM破綻から1か月ほどたって 急にマーケットに経済の先行きへの悲観論が蔓延しております。

今回ドル円、クロス円ともに大幅な円高が進んだことによって、多くのFXの個人投資家達が 大きく資産を減らしているようです。中にはMC(マージンコール)で強制決済になって 退場を余儀なくされたトレーダーもいるようです。

今回の円高は確かに短時間で大きな変動がありました。たとえばドル円に関して言えば 1週間で円高方向に4%以上下落したことになります。4%の下落とは、単純に言ってしまうと レバレッジ25%で資産の全体が吹っ飛んでしまう計算になります。

レバレッジ25倍。それは決してFXをやる人にとっては格段に高いレバレッジとは言えないと 思います。むしろ平均的と言ってよいレベルでしょう。それなのにもし今回の相場でドル円を レバレッジ25倍でロングして放置していたら資産が吹っ飛んでMC(マージンコール)に なってしまうのです。

しかし1週間で4%相場が変動することはFXでは実はそんなに珍しいことではありません。 年に何回かは発生するレベルの変動です。100年に一度のマーケットの大変動で飛ぶなら まだしょうがないかもしれませんが、これぐらいの変動で飛んでいるようでは今後FXマーケット で生きて行くには命がいくつあっても足りません。

FXで資産を吹っ飛ばして退場する人と退場しない人の違いは何なのでしょうか? まあ技術の差や運の差もあるかもしれませんが、一番の違いは資金管理、リスクに対する 認識の違いがあると思います。

今回退場になった人はいくらまで円高になったら自分が強制決済になるか、 事前に知っていたでしょうか?そしてもしそうなりそうな場合にどう対処するか シミュレーションしていたでしょうか?

恐らく、いくらで自分が強制決済されるかもよく分かってない人が多いと思います。 仮に強制決済のポイントが分かっていたとしても、「そこまで行かないさ。」と 楽観的に構えていて何も対処していなかったと思います。

そんな人は出来ればすぐにFXを止めた方がいいです。今回のレベルの変動は 今後何度も遭遇することになります。その度に資産を飛ばしているようでは 時間と資産の無駄です。マーケットのいいカモです。

FXで勝てない人、資産を飛ばす人はテクニック以前のレベルの人が多いです。 リスクの認識が甘く、資金管理も出来ていない。仮にテクニックを学んで 勝率が高くなったところで、1回の負けで資産を飛ばしかねません。

今自分の資産がいくらあって、どのぐらいポジションを持っていて、 レバレッジはどのぐらいで、レートがどこまで行ったら自分が強制決済になるのか。 そんな当たり前の資金管理が出来ていない人は今後何度も退場の憂き目にあうでしょう。 そしてまたしばらくして入金してもまたいつの日か資産を飛ばします。9勝1敗でも 負け続けてしまうようなFXトレーダーです。運だけで勝てるほどFXは甘くないです。 もし今回の円高ぐらいでMCになった人は一度考え直す必要があると思います。


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