FXコラム「スキャルピングは勝てない 1」
今回はFXの一つの手法(?)の「スキャルピング」について話をしたいと思います。
まず最初に「スキャルピング」を知らない人もいると思うので 「スキャルピング」とは何かについて話を致しましょう。
英語では”Scalping”とか”Scalp”と言うのは頭皮のことを指します。 そこから転じて、FXのディーリングで、薄く利鞘を剥ぐように薄利で 稼ごうとする売買手法を、「スキャルピング」と呼びます。 「スカルピング」とか略して「スキャル」「スキャ」と呼ばれることもあります。
一見すると短期トレードのスキャルピングの方が安全な気がします。 スキャルピングをやる人たちも 「明日の天気より5分後の天気の方が分かるだろ。FX相場も同じで 短期の予想の方が簡単。今のFXマーケットは動きが大きいので ポジションを持ったまま寝るなんて危なすぎる。」 と言うようなもっともらしいことを言ったりします。
例えば一回のトレードで10銭を抜いてみる場合を考えてみます。 ドル円で考えてみると1日の値動きは平均でも1円以上あります。 その中からたった10銭を切り抜くだけでいい。なんか意外に簡単そうに思えますよね。
「10銭なんてはした金抜いてもしょうがないだろ。」と思うかもしれません。 でももし確実に取ることができるのであれば、ポジションを沢山持てば たった10銭でも大きな利益を上げることが出来ます。例えばドル円で 一回に10万通貨ポジションを持てば、10銭抜いたら1万円です。 1日に10銭抜ければ十分裕福な暮らしが出来ます。実際にバーチャでもいいのでスキャルピングをやってみてください。 なんとなくでいいのでポジションを持って例えば10銭で利益確定する。 やってみると分かりますが、実際10銭取れることは多いと思います。 ポジションを持ったとたんにスプレッド分マイナスになりますが、 結構放っておくと元に戻ってきて利益が出たりします。
実際に私もスキャルピングにハマった時期があります。 狭いレンジ相場の時にスキャルピングをやると面白いぐらい勝てます。 多少外してもレンジなら戻ってくるのでナンピンしたりしても 大抵のポジが救われます。それこそ1日に何万円も稼いで、 それが結構長い間続いたこともありました。
しかし、私のスキャルピングは最終的には破綻しました。 細かい勝ちを積み重ねて行ったのですが、たった一回だけ 「どうせまたレンジで戻るだろ。」という甘い考えで ナンピンをして放置していたら、完全なレンジブレイクで 最終的には大きな含み損を抱えて損切りする羽目になり 一気にこれまでの利益を吐き出すことになりました。 それこそ30勝1敗でプラマイゼロになってしまったのです。
その後は損切りを徹底することで大きな負けをなくそうと 努力してみました。必ず損切りラインを設定して、 予想の方向と違う方向に曲げてしまったら100%損切りを徹底する。
そうしたら今度は勝率が異常に落ち始めました。自分の望む利益が出る前に 損切りラインにタッチしてしまい、負ける確率がかなり上がってきたのです。 しかも損切りしなかったら結局は利益が出ていたケースもかなり多い。
その後もいろいろとテクニカルの手法を工夫したり、 利益確定、損切りの値幅を調整したりいろいろやってみたのですが、 結局は満足な利益が出ないという結論に至りスキャルピングには 二度と手を出さないことに決めました。
たしかに私のスキャルピングのスキルがヘタクソだったのかもしれません。 ただ結構有名なスキャルピングの情報商材の手法もいくつか試しましたが、 どれもこれも内容はお粗末なもので全然勝てませんでした。
いろいろ試行錯誤して思うのですが、普通に常識的に考えてみると スキャルピングが勝ちやすいという理屈は どうも嘘くさい気がしてなりません。 普通に考えればスキャルピングは勝ちにくいものなのです。
続きは「スキャルピングは勝てない 2」に続きます。